平安時代初期に坂上田村麻呂が建立したとされる西津軽の修験道寺院
「円覚寺」は青森県内屈指の古刹として知られています。
寺伝によれば、建立は平安時代初期の807年。
朝廷の命令で東北地方に遠征してきた坂上田村麻呂が建立したと伝えられます。
868(貞観10)年、修験道の行者である円覚法印がこの地で観音堂を再興しました。
【平泉伝説】円覚寺
季春「青森県深浦町の古刹、円覚寺は田村麻呂将軍伝説もある古き寺で、基衡様も寺の修復をされました。青森県には珍しい奥州藤原氏ゆかりの寺社です」pic.twitter.com/yfMz2qHR4U— 奥州藤原氏bot (@ou_fujiwara4) August 16, 2018
そのため、円覚寺の開山は円覚法印とされます。(修験道とは山岳信仰と仏教が佑こうしてできた日本独特の仏教のこと)
神仏習合で神と仏を同時にまつるのも修験道の特徴の一つでした。
鎌倉時代から南北朝時代にかけて、修験道の形は出来上がっていきました。
江戸時代になると幕府は修験道法度を定め、修験道の行者は真言宗か天台宗かのどちらかに属することとします。
「円覚寺」は修験道の修行道場となり、主に加持祈祷をおこなう山伏の寺となりました。
津軽藩は円覚寺を手厚く保護し、たびたび寺院の建物を修築します。
藩から厚く信仰された祈祷寺だったため、一般の寺にあるような檀家はいません。
1868年、明治政府が出した神仏分離令によって修験道は禁止されてしまいました。
そのため、円覚寺は古義真言宗醍醐派の一員となり現在に至ります。
日本海を行き交う北前船の船主や船乗りたちも円覚寺を厚く信仰した
江戸時代、日本海側は西廻り航路や北前船の航路として繁栄しました。
西廻り航路とは酒田を起点に大坂に向かう航路、北前船は蝦夷地(北海道)江差・松前から日本海側を通って大坂に至る航路のことです。
【「SPACE LABO」レポート!!】
佐藤さんの「土崎エリア北前船ゆかりの場所を巡るリサーチ」。午後は北前船で運ばれた福井の笏谷石で作られた参道と狛犬がある金刀比羅神社と北前船の模型などが展示される土崎みなと歴史伝承館に来ました。陸路や空路で運べないものも海路だと運べたりする。 pic.twitter.com/EtgmSeuQcM— 秋田市文化創造交流館(仮称)準備中 (@2020akita) November 8, 2019
「円覚寺」のある深浦は北前船航路に位置する重要な港でした。
北前船の船主たちは円覚寺を「澗口観音」として厚く信仰します。
澗口、港の入り口にある観音という意味ですね。
嵐に遭遇し船が転覆しそうになると積み荷を放棄して転覆しないようにします。
それでもダメなときは髷(まげ)を切り落として神仏に祈りました。
その時、円覚寺の杉の梢に光がともり、船乗りたちを導いたといいます。
感謝した船乗りたちは切り落とした髷を円覚寺に奉納しました。
現代よりも造船技術や航海技術が発達していない時代、嵐から生還できるかどうかは神頼みにならざるを得ません。
船主や船乗りたちは無事の航海を円覚寺で祈りました。
円覚寺には北前船で富を築いた豪商高田屋嘉兵衛が奉納した「ギヤマン玉」や「シャンデリア」が残されています。
深浦円覚寺を訪れるなら、ぜひ、五能線から見える夕陽の絶景を
深浦町は青森市から車で約2時間40分、弘前市から約2時間かかります。
青森県内でも移動に時間がかかる場所の一つです。
深浦へのアクセスでおすすめなのがJR東日本の五能線での移動ですね。
五能線は青森県川部駅から秋田県東能代を結ぶ鉄道路線。
川部駅は弘前駅のすぐ近くにありますよ。
五能線の電車は奥羽本線の弘前駅にも乗り入れているのでここから乗るのがおすすめ。
途中、津軽平野の田園風景や鯵ヶ沢からの海岸の風景を楽しむことができます。
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今年も無事に実りの秋を迎えられたことに感謝しながらの眺めは、目の覚めるような秋空と日本海、そして始発の五能線。 2020/9/3 #五能線 #東京カメラ部 #東北カメラ部 #鉄道のある風景 #鉄道風景写真館 #鉄道風景 #鉄道写真 #trainphotography #trainstagram #ig_japan
おすすめは何といっても夕方。西津軽の海岸から日本海に夕日が沈む風景は圧巻です。
円覚寺を見た後、五能線から日本海に沈む夕日を見ながら帰るというのもいいですよ。
円覚寺はどこにあるの?円覚寺へのアクセス方法や施設情報のまとめ
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⚪⚪深浦の久六屋の帰り円覚寺へ ⚪⚪ナァ~ムゥ🙏 ⚪ ⚪ #円覚寺 #青森 #深浦 #神聖 #寺#津軽
《住所》
・青森県西津軽郡深浦町大字深浦浜町275
《アクセス》
・JR深浦駅から徒歩30分
《料金》
・入場無料
《駐車場》
・円覚寺の向かい側に無料駐車場あり
詳しくは円覚寺のHPなどでご確認ください。
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