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『根来寺』ってどんな寺院?真言宗中興の祖・覚鑁によって創建!
『根来寺』(ねごろじ)は和歌山県岩出市にある新義真言宗の総本山寺院で、1130年に真言宗の僧・覚鑁(かくばん)よって建てられたお堂が根来寺の始まりと言われています。
和歌山県岩出市の根来寺からおはようございます pic.twitter.com/8wvEFI5q7H
— リン (@rin_geography) March 4, 2021
覚鑁は20歳より高野山で修業し、その後、鳥羽上皇からの保護もあり1134年には真言宗の総本山であった金剛峯寺の座主に就任します。
座主となった覚鑁は当時天災などで荒廃していた高野山の復興に努め、真言宗開祖・弘法大師の教義(宗教の教え)を再び広げようとします。
しかし、1140年に覚鑁の教義に反対していた派閥が覚鑁一門の寺院を焼き討ちするという事件(錐もみの乱)を起こすと、覚鑁は高野山を下りることを決断し現在の場所(岩出市)に移りました。
覚鑁はこの地で新しい教義を広め新義真言宗の始祖となり、円明寺を中心に根来寺を形成していきました。
そして、覚鑁の入滅(釈迦や高僧の死)から約140年後の1288年に真言宗の僧・頼瑜(らいゆ)が教義の場を高野山から根来に設け、新義真言宗の拠点が根来となりました。
戦国時代には“根来衆”を組織!織田信長や徳川家康のもとで活躍!
『根来寺』は室町時代末期に寺領が72万石になるなど最盛期を迎え、根来を中心に一大宗教都市を形成します。
また、この頃より1万人規模の僧兵からなる“根来衆(ねごろしゅう)”と呼ばれる軍事集団を擁するようになります。
根来衆は火縄銃を装備した鉄砲隊を主力とし、石山合戦(1570年)や雑賀攻め(1577年)では織田信長に味方し活躍します。
根来衆(ねごろしゅう)は、紀伊北部の根来寺周辺を根拠地とした僧兵集団である。数多くの鉄砲を擁し、傭兵の集団としての活躍も見られる。
— NeNe高台院豊臣吉子 (@koudaiin) July 1, 2014
1582年には織田信長が京で行った大規模パレード(京都御馬揃え)にも参加したといわれています。
しかし、織田信長の死後に起こった小牧・長久手の戦い(1583年)では徳川方に味方したことから、1585年には羽柴秀吉による紀州攻めを受け大師堂や大塔など数棟を残しほとんどが焼け落ちてしまいました。
ただ、江戸時代に入ると紀州徳川家の庇護を受け主要な伽藍が復興し、さらには東山天皇(113代天皇)より覚鑁上人に「興教大師」の大師号が与えられました。
境内にはどんな建造物がある?紀州征伐の戦禍から逃れた国宝がある!
『根来寺』には国宝に指定されている「大塔」があります。
この大塔は豊臣秀吉による紀州征伐の焼き討ちから逃れたと言われており、「大塔」の基部には弾痕が残っています。
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「大塔」は1547年頃に完成し高さが40mもあり、これは木造の大塔では日本最大と言われています。
内部は真言密教の教えを立体的に表したものとなっており、中心には本尊として大日如来が安置されています。
ちなみに国宝指定で木造の大塔内部に入りお参りできるのは、日本ではこの根来寺の大塔だけです。
境内にはどんな建造物がある?見る価値ありの重要文化財が多数ある!
『根来寺』には重要文化財に指定されている建造物が7棟あります。
とくに見て欲しいのが、本堂である「大伝法堂」、真言宗の開祖・弘法大師を本尊とした「大師堂」、寺を開いた覚鑁上人の御尊像を安置している「光明真言殿」の3棟です。
「大伝法堂」は1827年に再建されたもので、内部には本尊の大日如来と両脇に金剛薩埵(こんごうさった)と尊勝仏頂が安置されています。
この三尊も重要文化財に指定されています。
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「大師堂」は1391年頃に建てられ、国宝の大塔とともに豊臣秀吉による紀州征伐の焼き討ちから逃れたものです。
「光明真言殿」は1804年の建立で、内部には覚鑁上人のご尊像、左右には歴代座主と歴代藩主(紀伊藩)の位牌が安置されています。
根来寺常光明真言殿。 pic.twitter.com/zIABMYUo
— 勝吉 (@KatuyosiSpde28v) August 2, 2012
他にも多くの建造物があるので参拝しに来た際には見学してみてください。
ちなみに全部の建造物を見るには約90分かかります。
『根来寺』への行き方は?拝観時間・入山料・駐車場情報も掲載!
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《所在地》
〒649-6202 和歌山県岩出市根来2286
《拝観時間》
4月~10月:午前9時10分~午後4時30分
11月~3月:午前9時10分~午後4時
《入山料》
※大塔エリアおよび光明殿エリア
中学生以上:500円
小人:無料
《アクセス》
・JR西日本阪和線和泉砂川駅「砂川駅前」より和歌山バス那賀・特急で「岩出図書館」で下車。根来寺まで徒歩10分
・JR西日本阪和線紀伊駅「紀伊駅前」より和歌山バス那賀で「根来」で下車。根来寺まで徒歩20分。
・南海電鉄南海本線樽井駅「樽井駅前」より和歌山バス那賀・特急で「岩出図書館」で下車。根来寺まで徒歩10分。
《駐車場》
無料駐車場があります。
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